なぜそうなるか

ワイヤレスイヤホンの捨て方は、住んでいる市区で分かれていました——電池を外せない物を、調布市は有害ごみ、日立市は粗大ごみ、中野区は陶器・ガラス・金属ごみの日に集めています

充電が持たなくなったワイヤレスイヤホンを、引き出しにしまったままにしている人は少なくないはずです。

小さくて軽いので、つい燃えないごみの袋に入れてしまいそうになります。ところが本体の中には充電式の電池が入っていて、製品によっては、その電池を利用者が取り外せない作りになっています。

自治体のページには、この電池がごみの収集や処理の途中で強い力を受けると、発火のおそれがあるという注意が並んでいます。そうなると、捨て方を少し気にしたほうがよさそうだと感じるのは自然なことでしょう。

では、実際にどう出せばよいのか。国の案内を開いてみると、答えはひとつにまとまっていませんでした。環境省は、出し方の決まりを市区町村に委ねる書き方でした。

そこで、環境省の2ページに加えて、調布市・日立市・中野区・神戸市の4ページを開き、電池を外せないイヤホン類の出し方を原文に沿って並べました。4つを選んだのは、ページ内でワイヤレスイヤホンやヘッドホンの名前を挙げて説明していたからです。

どの製品を選ぶべきか、手元のイヤホンが何ごみに当たるかは、この記事では判断しません。住まいの市区町村の案内で確かめる前提で読んでください。

この記事でわかること
・環境省は、家庭から出るリチウムイオン電池とその製品を、市区町村のルールに従って捨てるよう案内している
・電池を外せない小型の製品を、調布市は「有害ごみ」として集めている
・日立市は、電池を取り出せない場合は「粗大ごみ」として出すよう書いている
・中野区は「陶器・ガラス・金属ごみ」の日に、別の袋で出す決まりにしている
・神戸市はヘッドホンを「燃えないごみ(小型家電リサイクルBOX)」とし、できるだけボックスを使うよう呼びかけている

国は、どう捨てるように案内しているの?

ワイヤレスイヤホンの捨て方は、国が決めているの?

環境省のページは、家庭から出る場合は市区町村のごみ捨てルールに従うよう案内していました。

環境省の「リチウムイオン電池関係」のページは、この電池が身の回りの製品に広がっている一方で、衝撃や高温に弱いことを説明したうえで、捨て方についての一文は次のとおりです。

不要になったリチウムイオン電池やリチウムイオン電池を使用している製品は、ご家庭から出る場合は、お住まいの市区町村のごみ捨てルールに従って、捨ててください。

つまり、何ごみで出すかを決めているのは、国ではなく市区町村です。同じイヤホンでも、住む場所が変われば出し方も変わりうることになります。

環境省の特設サイトの「概要」ページは、発火が起きた製品の傾向について、次の一文を置いていました。

発火の発生品目としては、小型で安価なものや、表面がプラスチックのものが多い傾向にあり、ユーザーが見た目から危険性や適切な分別区分を把握しにくいこと等がその原因として挙げられます。

見た目だけでは分別の区分が分かりにくい、という点を挙げているのは、ほかならぬ国の側です。イヤホンはまさに、小さくて表面がプラスチックの製品です。

市区ごとに、何ごみになっているの?

市区町村によって、そんなに違うの?

今回読んだ3つの市区だけでも、有害ごみ・粗大ごみ・陶器・ガラス・金属ごみと、区分の名前がそろっていませんでした。

調布市は「有害ごみ」

調布市の「内蔵充電式電池が取り外せない小型電子機器の出し方」のページは、集め方を変えた時期と対象を、はっきり書いた作りです。

令和6年4月からハンディ扇風機やワイヤレスイヤホンなどの小型電子機器のうち内蔵充電式電池を取り外せないものを、「有害ごみ」として収集しています。

出すときの形についても、袋の扱いまで決めていました。

有害ごみの収集日に、燃やせないごみの袋には入れず、カゴやバケツなどに入れてお出しください。

調布市の場合、燃やせないごみの袋に混ぜないことが、出し方そのものに組み込まれていると読めます。

日立市は「粗大ごみ」

日立市のページは、電池を取り出せるかどうかで出し方を二つに分けた書き方でした。取り出せない場合の欄は、次のとおりです。

無理に解体せず、粗大ごみとして出してください。

取り出せる場合は、取り出した電池を有害ごみとして出すよう書かれていました。同じ製品でも、電池を外せるかどうかで区分が分かれる形です。同じページの「主な製品」の一覧には、スマートフォンやハンディ扇風機と並んで、ワイヤレスイヤホンの名前も挙がっています。

中野区は「陶器・ガラス・金属ごみ」の日

中野区の「リチウムイオン電池は正しく分別しましょう」のページには、電池を取り外せない製品の出し方をまとめた段があります。

「陶器・ガラス・金属ごみ」の収集日に、他のごみとは別の袋に入れ、中身が何か分かるよう袋に「充電式電池内蔵」と記載してお出しください。

袋に「充電式電池内蔵」と書き添えるところまでが、中野区の決まりです。同じ段には、例としてワイヤレスイヤホンの名前も載っていました。

神戸市は、ヘッドホンをどう扱っているの?

ほかの市でも、名前を挙げて説明している例はある?

神戸市のよくある質問は、ヘッドホンを「燃えないごみ(小型家電リサイクルBOX)」としたうえで、電池が入った製品にはボックスを勧めていました。

神戸市のFAQは、イヤホンではなく「ヘッドホン」を見出しにした問答です。答えの区分は「燃えないごみ(小型家電リサイクルBOX)」で、電池が使われている製品について次の注意を添えています。

ワイヤレスヘッドホンなど、リチウムイオン電池が使用されている製品は、ごみの収集時・処理時に強い力がかかると発煙・発火し、ごみ収集車やごみ処理施設の火災につながるおそれがあります。できるだけ小型家電リサイクルボックスをご利用ください。

このページが扱っているのはヘッドホンで、ワイヤレスイヤホンそのものの区分は書かれていません。イヤホンも同じ扱いかどうかは、このページだけでは決められないので、神戸市に住んでいる場合は品目名で確かめ直す必要があります。

出す前にしておくことは、どこも同じ?

区分は違っても、出す前の準備は共通なの?

電池をなるべく使い切ることと、端子を覆うことは、調布市と中野区の両方が挙げていました。

出す前の準備として、調布市が並べているのは次の2点です。

できるだけ電池切れの状態にしてください。

金属の端子部分にビニールテープなどを貼って絶縁処理をしてください。

中野区も、小型充電式電池の出し方の段で、電力を使い切ることと、端子や差し込み口にテープを貼ることを求めていました。膨らんだり形が変わったりしたものの扱いは別で、中野区の記述は次のとおりでした。

膨張または変形しているものは、ごみ集積所には出せません。清掃事務所にお持ちください。

この記事で確認したこと

ワイヤレスイヤホンの出し方
・環境省は、家庭から出る電池と電池を使った製品を、市区町村のルールで捨てるよう案内している
・電池を外せない小型の製品を、調布市は有害ごみとして集めている
・日立市は、電池を取り出せない場合は粗大ごみとして出すよう書いている
・中野区は、陶器・ガラス・金属ごみの日に「充電式電池内蔵」と書いた別の袋で出す
・神戸市のヘッドホンの区分は、燃えないごみ(小型家電リサイクルBOX)

住まいの市区町村のサイトで「ワイヤレスイヤホン」や「充電式電池内蔵」と品目名を入れて探すのが、いちばん早い確かめ方です。

よくある質問

燃えないごみの袋に入れてしまっても大丈夫ですか

調布市のページは、燃やせないごみの袋には入れないよう、はっきり書いています。ほかの市区の扱いは、この記事で読んだ範囲では分かりません。住まいの市区町村の案内に従ってください。

充電ケースも同じ出し方ですか

今回読んだ4つの市区のページには、充電ケースという品目名は出てきませんでした。ケースにも電池が入っている製品がありますが、同じ扱いかどうかは各市区町村に確かめる必要があります。

家電量販店の回収箱に入れてもよいですか

中野区のページは、リサイクルマークのある小型充電式電池を、一般社団法人JBRCが協力店のリサイクルボックスで回収していると紹介しています。ただしこれは電池の回収の話で、電池を外せないイヤホン本体を入れてよいかは、このページからは読み取れませんでした。

この整理が変わる条件


出典

イヤホンを手放す前に、出し方の区分と日程を、住まいの市区町村の最新のページで確かめてください。

当方が上の出典を引いて確かめた日:

記事をすべて見る